2013年12月24日火曜日

メリーランド


今年最後の遠征はメリーランド州へ。

最初バルティモアに着きラジオ局WYPRの番組へ。Midday with Dan Rodricksという番組で、このダンさんは毎週月曜から金曜まで担当している看板的なホスト。この番組自体がいろんな時事問題なども扱う内容ですが、さすが彼はいろんなトピックでも鋭い意見を発していました。



収録後の一枚。


その後、更に西へ入ること一時間ほどでニューマーケットという町の教会でのコンサート。ここには何度か来ているので久しぶりにくると落ち着きます。




この日はスピーカーなどを使わずに生ギターでやろうと決めていてやりましたが、教会の共鳴が良い感じでとても気持ちよく演奏できました。クリスマス前ということもあってきれいな飾り付けがされてありました。



次の演奏場所は、また東へ戻りパイクスビルという町のギター屋さんでのコンサート。この町は非常にユダヤ人が多く、このギター屋さん、そしてそこに来る人たちもそのコミュニティーの人が多かったです。今までこのような人達とそこまで接することが無かったのでいろいろと新鮮でした。



金曜の夜から土曜の日が沈むまでは「安息の日」ということで働いてはいけないという決まりになっていて、かかってきた電話にすら出ません。本来なら土曜の昼などはギター屋に取ってもお客さんの集まる時間帯だと思うのですが。そのおかげで昼間はショップを独占させてもらいいろんなギターを弾いたり教則本を呼んだりと楽しませてもらいました。




オーナーのジョッシュさん。彼自身もギタリストで上手でした。

2013年12月17日火曜日

テネシー/ノースキャロライナ






先週からテネシーとノースキャロライナ州に行ってきました。

一つ目の演奏はテネシー州のノックスビルのビジターセンターでのラジオの公開ライブ"Blue Plate Special"。これで3回目です。今回もお客さんも暖かく楽しく演奏できました。



この辺の人達はほんとに音楽が好きだというのが伝わってきます。


同じ日の夜はノックスビルのThe SHAREhouseというコンサート。4月にやってこれでここは2度目です。独特の雰囲気でいい感じでしたがこの日は特に冷え込んでいて結構演奏していて寒かったです。前から何度かやりとりをしていたテネシー在住の日本人の方も見に来てくれて嬉しかったです。


The SHAREhouse


翌日は山を目指しコズビーという小さな町でのコンサート。ホストのビルは自分自身ギターも弾くし作るしという大のギターマニアでこの小さな町にいろんなギタリストを呼んでいます。

コンサートはここもまた非常に暖かい雰囲気のなか演奏できてよかったです。自分自身慣れて来たものの同じことが多いので少しずつ新しいものも取り入れながらやりたいなと思いました。コンサートが終わって次の日は、ノースキャロライナ州のアッシュビルまで。

コンサートまで時間があったので、ビルと奥さんのドーンとでせっかくだからということで、このグレートスモーキー国立公園を歩きに行きました。


ドーンはこの辺りに居住区のあるチェロキーインディアンの血をひく人で、この国立公園のレンジャーをやっていることもあって、動物のことから植物のことまであらゆる質問に答えてくれて勉強になりました。雪の降るトレッキングでしたがリフレッシュできまし
た。






最後のコンサートはアッシュビル。このアッシュビルはアメリカ全体で住みたい町のトップ3くらいに入る町でアメリカ人にとって魅力的な町です。確かに豊かな山と川があり、町にはアートと音楽が溢れている感じの雰囲気です。




クリスマス前ということもあり、会場はホリデーシーズンの雰囲気でした。今回もいろんな人に出会い、また再会し良い時間でした。

ニューヨークに戻ってくると寒くてびっくりでした。

2013年12月8日日曜日

詩人





来年の新しいプロジェクトの一つは詩人とのコラボレーションです。3月にあるパフォーマンスの準備のためボストンへ行ってきました。

詩人Timothy Masonはフォークと詩のシーンで長い間活動してきた非常に渋い人です。今回はケンブリッジにある彼の家に滞在し、いろいろとアイデアを共有しながら話合いました。

詩といっても本当に様々で、短いものから、さらに話のようなStorytellingまでありいろいろと勉強になりました。個人的なエピソードを語る所から始まり、最初は普通に話をしているのかと思って聴いていると徐々に詩の世界に引き込んでいくTimothyのやり方はすごいなと思いました。彼の朗読は緩急、ダイナミクスの幅がとてもあって、長いものになると10分を越えるにもかかわらず全て記憶していて言葉がどんどん連なっていきます。






自分の詩や日本の詩も次のパフォーマンスではやろうと思い準備していったらアイデアをくれて面白い感じに仕上がってきました。今回はかなり英語の特訓にもなりました。



Timothyの家を出たあと、かつて過ごした懐かしのボストンのバークリーの近くまで行きました。新しい建物が出来ていたりと変わった部分はありますが、この150とみんなが呼ぶメインの古いビルは健在でした。

楽器を持った学生達が闊歩する姿がとても懐かしかったです。もう見知った顔はいないですが、朝から晩までジャズ浸けだった日々を思い出しながら初心を顧みた一日になりました。






2013年11月28日木曜日

ラジオ


前回の教会に続いて、またニュージャージーでラジオの収録ライブでした。

同じニュージャージー州でも今回はさらに内陸部で、気温も下がり雪も散らつく日でした。でもラジオ局の中に入ると下のような暖かい感じでほっとしました。



このラジオ局は、基本的に割りと年配のスタッフ、DJで成り立っているので、内装も70年代を思わせる感じの雰囲気でいい感じでした。懐かしのバンドの写真やレコードが至る所に飾られていました。




この日は演奏とトークを交互にやりながら進行しました。







この日はマンハッタンからバスに乗り現地まで。きれいな夕暮れでした。

2013年11月24日日曜日

ニュージャージーの教会



隣の州ニュージャージーの教会でのコンサートでした。いつもの魔の金曜日ということで渋滞を予期してかなり早めに出て正解でした。

演奏したのはちょうど昨年の今頃に演奏したAllwood Community Churchです。前回見に来てくれた人も戻ってきてくれて嬉しかったです。





教会はやはり音がよく響きます。古い教会での演奏はそれだけで演奏前の雰囲気を作ってくれるような気がしてやりやすいです。



昨日のセットアップ。昨日はコンデンサマイクを使いました。音を拾い過ぎてフィードバックが怖いですがなかなかいいものです。

休憩では、教会からちょっとした飲み物、食べ物が振る舞われ、いろんな人達との交流を楽しみました。教会の人達はコミュニティーの結束が強いということを改めて感じました。

最近同じような曲が多い中新しいものも取り入れて行きたいと思っているのですが、なかなかそう簡単には思いつかないものです。




こちらはすっかり落葉し本格的な冬になってきました。




2013年11月19日火曜日

Baltimore


この週末はメリーランド州ボルティモアへ。

ニューヨークからは約3時間程。今回はハウスコンサート。前にも書きましたがハウスコンサートという形はアメリカのフォークではよくあるコンサートの形で、
リビングルームで演奏します。ミュージシャンにとっては、宿泊とコンサート会場が同じという意味ではとても楽です。演奏が終わって疲れていても、すぐに自分の部屋に戻るだけです。






今回は年齢も人種も様々な人が集まってくれました。暖かい雰囲気で途中で質問も飛び出すような感じで時間が過ぎました。こういうコンサートをいろんな場所でする度に様々なアメリカを感じます。個人個人が抱えるいろんなこと、そしてその地方ならではの色。







翌日はホストのウェンディーが送ってくれる途中で港を通ってくれました。アメリカでも最も古い町の一つボルティモア。かつてはたばこなどの輸入などで栄えたそうです。ただ他のアメリカの港町、工業都市と同じくして、一度栄えた後廃れることによって町の中心部から人が減り治安が悪化するというパターンもこのボルティモアも取っています




それでもダウンタウンは古い美しい建物が残っていて良い感じでした。




2013年11月15日金曜日

ニューヨークライブ


昨日は久しぶりにマンハッタンでライブでした。

デュオでの演奏で、パーカッションの武石聡さんとは9月の日本以来の共演でした。久しぶりのデュオの感覚が演奏が進むにつれて蘇ってきて気持ちよかったです。

この冬一番の冷え込みという感じの寒い一日でしたが、長らく会っていなかったニューヨークの友達も足を運んでくれて再会できてよかったです。




演奏したSpectrumは居心地の良いリビングルームのような暖かい空間でした。元々はコンテンポラリークラシカル音楽を提供する場として始まったようです。







昨日はこの場所の音響を担当しているローレンスのこだわりのマイクのみで演奏しました。生っぽい感じもやはり良いなと思いました。

2013年11月10日日曜日

333プレス


レーベルの季刊誌「333 PRESS」の秋号が出ました。今回の自分のコラム「ニューヨークの街角から」ではこちらの秋の風物詩について書いています。良かったら見て下さい。

http://bccks.jp/bcck/117568/info


2013年11月6日水曜日

フロリダ


 フロリダから帰ってきたらニューヨークの寒さがずきんとしみてきます。

今回は土曜日曜とフェスでの演奏でした。土曜は雨模様でしたが翌日は快晴。本当に気持ちのいい気候です。


今回は一日目はInternational Folk Fairで様々な国の催しが出てるフェスで、現地の日本の方ともたくさん知り合えてとても楽しい一日でした。こちらにおられる日本の方も様々なことをされておられて良い刺激になりました。


そしてその夜はサッカーの試合があるということで、なんとラッキーなことに入れてもらえることになり行ってきました。ここのチームTampa Bay Rowdiesとミネソタの対戦。そしてここで活躍しておられる元日本代表の山田卓也さんのプレイも見ることができました。サッカーをやってきた人間として久しぶりにスタジアムの雰囲気を体験でき熱くなった夜でした。





地元ファンのサインに応じる山田さん。同年代でヴェルディーの黄金時代におられた頃から活躍されているのを知っていたので、こうして今フロリダでチームの要として活躍してフィールドを走り回る姿を見て勇気付けられました。




日曜のステージ。このフェスは、主にアメリカンフォーク系。気持ちのいい野外での演奏でした。



セットアップ。最近はどんどんシンプルになってきました。それでもギターは基本的にマイクとラインの2つで拾ってます。



次の日はフライトまで時間があるのでどうしようかなと思っていたらサッカーの山田さんから連絡があり、せっかくなので海でも行きませんか、ということで車で40分ほどのClear Waterという町のお勧めのビーチへ連れて行ってもらいました。道中いろいろとサッカーの話も聞けて興味深かったです。こうして実際にプロでずっとやってこられた人の話を聞けるというのはとても貴重でした。


ニューヨークではこの季節に普通にビーチがオープンしていること自体考えられないですが、普通に人も寝そべったりしていました。


広大なメキシコ湾。今回のツアーの締めくくりはこの海で最高でした。

2013年10月27日日曜日

ウッドストックギターショー


ニューヨーク市内から2時間程、ギターのショーがウッドストックであるので行ってきました。このイベントの名前はWoodstock Luthiers Showcase、つまりギター製作家が集まり各々の作ったギターを持ち寄るというもの。それに加えてアメリカ各地からアコースティックギターの様々なギタリストがあつまり、ワークショップをやったりミニコンサートをやったりということでとても面白かったです。





ギターの雑誌や話でしか聞いたことの無かったブランドのもの、そしてそれを作った職人と身近に接することのできる機会でした。アメリカは広いですが、こういう世界はコミュニティーになっているので逆に狭いとも言えるかと思いました。

今回は日本人の方も何人か出会い、話をさせてもらい楽しい時間が過ごせました。皆さん相当詳しくてびっくりでした。カリフォルニアからも日本人ビルダーのMichihiro Matsudaさんが来られて展示されていました。


最近時々見かけるハープギターというもの。





上の写真のスコットランドのギタリストTony Mcmnusがワークショップをやるというのでギター持参で参加してきました。受ける立場というのは久しぶりだったのでとても新鮮でした。ケルト音楽を一本のギターで表現するというスタイルで不動の地位を築いている彼だけあって、迫力のある演奏とテクニックでした。それにやはり手が分厚く大きいので、一つ一つの音がこちらにもがーんと響いてきます。

アコースティックギターに囲まれた一日でした。

2013年10月21日月曜日

大西洋


今週末は、ニューヨークから大西洋沿いを北へ向かいました。

最初のコンサートはロードアイランド州。





演奏したSandywoods Center for the Arts。高い天井でゆったりとした空間でした。この日は去年演奏したここの隣町のニューベッドフォードのフォークフェスティバルのディレクターが家に招いてくれて、演奏場所への送り向かいもやってくれました。演奏の後彼ら達からアメリカのフォークの裏話もたくさん聞いて楽しい夜でした。


翌日は更に海沿いを進みケープコッド半島まで。今回は半島のほぼ半ばにあるオーリンズという町でのコンサート。時間もたっぷりあったので高速を使わずにほぼローカルで小さな港町をたくさん経由しながら走りました。




途中の腹ごしらえはたまたま見つけた地元のシーフードの店。シーフードレストランと言ってもメニューはいたってシンプルで基本はフライの魚介類。1953年からやってるということでいい感じでした。

またこの付近はかつてポルトガルの漁師たちが魚をとりに来ていてそのまま住み着いた人も多く、ポルトガル系の移民が多いです。




   途中、浜辺では結婚式をやっていました。





二日目の演奏場所は、この森の中の家。この家のリビングルームがコンサート会場。アメリカのフォークの世界ではリビングルームを会場にしてコンサートをするHouse Concertというのが多く、ミュージシャンと見に来た人達が近くなれる面白い機会です。アメリカのリビングルームは非常に広々としていて屋内のインテリアのセンスも良くそれ自体暖かい雰囲気を醸し出しているのでコンサートには持ってこいです。




ここのリビングルームは吹抜けになっていて、2階の席からはこんな感じでライブが楽しめたようです。演奏の休憩と演奏後は地元で取れた牡蠣が振る舞われてみんな牡蠣とお酒で盛り上がりました。

武満徹の曲で"Cape Cod"という作品がありますが、こうして行ってみるとこの半島の辺りはアメリカでも特別な雰囲気を持っている場所だと感じました。

2013年10月15日火曜日

一年


今のメインのギターを手にして一年になりました。このギターが出来上がったのが2012年9月です。


浜松在住のギター製作家の本郷道太氏のギターで、非常に良い仕上がりです。


この一年本当にいろんな所にこのギターと共に回って音も丸くなってきました。最初の新しい感じのキラキラした音が抑えられてきました。これからもまたいろんな場所へ連れていくことになると思います。


明日は、ニュージャージーでテレビの収録があるのですが、今回はアメリカで人気のフォークロックデュオThe Kennedys(ケネディーズ)のギタリストのピートと二人で出演です。ピートとは同じニューヨークに住んでいることもあり最近は時々彼のスタジオに行ってはセッションしたり録音したりしているのですが、自分にとってはちょっと兄貴的な存在です。

明日は自分の曲と彼の曲を演奏予定で楽しみです。ちなみにこのケネディーズは「赤」がメインカラーで、ギターも全て赤で統一されています。




こちらはマンハッタンのピートのスタジオ。やはり「赤」です。












2013年10月10日木曜日

タブラとのデュオ



今日はマンハッタンのルービンミュージアムでの演奏で、人生初のタブラとの共演でした。演奏したのは女性タブラ奏者Roshni(ロシニ)。普段はインドの古典音楽を中心にやっている人で、楽しかったものの、そして音楽は言葉を凌駕するとよく言われるものの、正直違う言語を話しているという部分も大きかったです。それは自分のインド音楽の理解不足というのが大きいですが。





インドの古典音楽の奥行きの深さを思い知りました。リズムというものが西洋音楽と異なったコンセプトで進んでいくのが不思議です。少しずつこういうインドの音楽も勉強できたらと思った一日でした。



  
タブラをチューニングするロシニ。金属のハンマーのようなもので叩きながら調節します。


2013年10月7日月曜日

New England

今週末はアメリカ北東部ニューイングランド地方へ。

一日目はニューハンプシャー州。北へ進むにつれてどんどんと山の色は鮮やかに。この季節はかなりいいと話は聞いていましたがその通りでした。

演奏したのはサンエーピーという町の教会。フォークを中心にコミュニティーがやっているコンサートシリーズ。こういった場所で演奏することも多いですが、今回はお客さんのリアクションがよかったです。同じ曲をやっても地域によって反応が異なるのが不思議です。





コンサート後、泊めてもらうことになっていたニューハンプシャー在住のギター製作家のAlan Carruthの宅へ。かなりの山間に住んでいて隣が工房になっていました。夜も遅かったですがせっかくなので工房を見せてくれました。



アランと彼のギター





最近の2本。とてもいい音、そして触り心地。40年以上作り続けているだけあって説得力がありました。最近は木の輸入などが結構やっかいなようですが、この地方はギターに使える木も多くそういう材も取り入れているとうことでした。


二日目はさらにニューハンプシャーから北上しバーモント州へ。山が深く、牛、馬そして古い村という風景が続きます。途中美しい谷があったので車をしばし止めました。






その後目的の町ブランドンへ。演奏したのはこのBrandon Music。イギリス人夫婦がやっている場所でこだわりの感じられました。

そしてこのバーモントで日本人のお二人が見に来て下さってこんなところで会うなんてと驚いたと同時にとても嬉しかったです。

今回初めての2州でしたが、一足先に秋の深みの中に浸った数日間でした。美しさの中にきびしい冬の到来を垣間みました。